フランクフルト整形外科病院での超音波神経ブロック研修ー短期間でも海外研修に行く意義とはー


幸運にも大人気のBBraunの主催するドイツの神経ブロック研修の機会に恵まれ、中川医局長に引き続き2週間研修に行かせて頂きました。

中川先生の報告「ドイツでの研修」https://showa-masui.jp/archives/615#more-615の続きとして読んで頂ければ幸いです。

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ドイツには、超音波ガイド下の神経ブロックを学びに行きましたが、それ以上に多くの事を学ぶ事ができたと感じました。

当科では、僕以外にもこの半年で3名が短期海外研修に行かせて頂きました。

ですので、今回は特に「短期間でも海外研修に行く意義」について書いていこうと思います。

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「短期間でも海外研修に行く意義」とは、一言で言うと「自分の想像を超えた学びを得ること」にあります。

こう言ってしまうとあまりにも陳腐に聞こえてしまいますので、もう少し具体的に、自分がこの研修でどんな学びを得る事ができたのか話を進めていこうと思います。

 

 

素晴らしい人との出会いがあること

短期間であっても海外研修に行くことで一番に何を学べたかというと、必ず「素晴らしい人との出会いがある」という事です。

 

 

教授であるケスラー先生は眼光鋭く、スタッフの中で最も身長が高く、最もスピーディーな先生でした。ですのでケスラー先生のブロックは、見ようと思ったら患者さんと共に入室してスタンバイしておかないと、絶対に見る事ができません。ケスラー先生は、患者さんより少し遅れて部屋に入ってくるや否や、ものすごい速度で超音波ガイド下にカテーテル挿入して次の部屋に行ってしまいます。

 

しかし、僕がケスラー先生を素晴らしいと思ったのは、神業の手技ができるからではありません。ケスラー先生は、どんな時でも自分のブロックを静止画保存や動画保存していらっしゃるからです。もうこれまでにも十分に画像記録をしてきたと思うのですが、当然のようにさらに上のレベルを追求しているのです。

こういう姿勢を常に持ち続けられる人は素敵だなあと思いました。

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また、そんなケスラー教授の元にいらっしゃる麻酔科の先生方との出会いも素晴らしいものでした。

非常に効率的に手術を行っている病院なので、日中はとても忙しくスタッフの先生のPHSは、ひっきりなしにコールがかかってきます。

しかしそんな中でも、2週間しかいない自分にジョークや大振りなジェスチャーで話しかけてくれて、その場を盛り上げようとしてくれます。

当院にも常に海外からの留学生が来ていますが、日常の中では麻酔や手術のことを話すことはあっても、お互いの士気を盛り上げる所まではこれまでやってはいませんでした。文化の違いはあるかもしれませんが、そんな優しさに心を打たれました。

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そして、海外留学生との出会いです。

現地に行くまでは僕以外にも留学生がいることを知りませんでした。

一緒にいられたのは1週間でしたが、その間にお互い片言の英語で夢を語り合うまでに仲良くなりました。

文化も環境も違う人と、実は同じ様な夢を持っていて、心を通じ合わせられるなんて思いも寄りませんでした。

メールアドレスを交換し、これからもお互いの成長を交換しあいたいと思っています。

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人と人を繋ぐツールに気付くこと

人と人を繋ぐツールは、実はとても簡単です。

笑顔、その国の挨拶、そして英語が必要です。

 

今回の研修先の病院の共通語は、英語ではなくもちろんドイツ語でした。

先生方は皆、英語を話せますが、他の職員はそうではありません。

学校教育で英語を選択していないと話せません。

でも言葉がわからなくても、こちらが笑顔でいれば、話しかけてきてくれます。

その時にドイツ語で挨拶できればそれだけでもう、十分です。

多くの職員から”Tokyo?”とか何とか聞かれ、肩を叩かれ、握手してくれます。

写真を撮ったら、大きな体を揺らして笑ってくれて、飴をくれました。

人はこうやって仲良くなっていくのだなあと、今更ながらに思い、楽しさ、新鮮さを覚えずにはいられませんでした。

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英語については、とてもびっくりしたことがありました。

ドクターは皆英語を話せますが、実は日本人と同様にドイツで英語を話す機会はありませんし、堪能な訳でもありません。

考えながら、詰まりながら一生懸命に話してくださるのです。

日本人以外は、英語が堪能で、ヨーロッパでは英語が通じない国はない位に思っていましたが、大違いです。

皆、英単語を覚え、勉強しているのです。

英語を下手であっても、少しでも話せること、我々も勉強を続けていくことが大切だと身にしみました。

 

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「習慣」を学べたこと

 

人と人が繋がるとそこには文化が生まれ、習慣が生まれます。

今回の研修で発見した「習慣」は3つ。

是非、日本でも取り入れられる所は取り入れたいと思いました。

 

1つ目は、チームの習慣

2つ目は、コミュニケーションの習慣

最後に、超音波の習慣

 

です。

 

ここからは、雑誌「臨床麻酔」に投稿させて頂きましたので、簡単に記載するに留めさせて下さい。

 

3−1:チームの習慣

日本では患者のバイタルサインを観察するのは、基本麻酔科医一人ですが、麻酔専属ナースがいて、チームとしてより安全に麻酔を行う習慣がありました。

僕は、麻酔ナースの仕事を見れたのは初めてでしたので、非常に感銘を受けました。

日本で実現するのはハード面での相違もあるので難しいとは思いますが、その考え方を取り入れられればと思いました。

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3−2:コミュニケーションの習慣

誰に対してでも、どんな時でも自分の意見を言う習慣があります。

自分がどんなに学年が低くてもです。

普段から自分もその習慣を身につけたいと思いました。

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3−3:超音波の習慣

神経ブロックだけでなく、静脈ラインや動脈ラインなど、どんな事にも超音波を使用します。

神経ブロックは、ほとんどが交差法で素早く行い、持続末梢神経カテーテルの挿入も数多く行われていました。

こちらでも研修に行った自分達が中心となって、確実で素早い超音波の習慣を広めないとと思いました。

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僕は、現在ペインクリニックに重点を置いて勤務しています。

しかし今回、手術室での研修に行かせてもらいました。

その理由の一つには「広い視野を持ち、高い視点に立って物事を観察し、考えよ」という事を常に大嶽教授から言われているからです。

 

 

この記事を読んでくださるのは、当院の麻酔科に多少なりとも興味のある研修医の方が多いかとは思います。

いつか「広く高い視点を持ちたい」と思う先生は是非1度見学にいらして下さい。

うちはそれが叶う麻酔科です。

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