成育医療センター研修報告


国立成育医療研究センターからのご報告

麻酔科の稲村です。

2014年4月より1年間、国立成育医療研究センター手術集中治療部の麻酔科にて小児麻酔の研修をさせて頂きました。こちらの病院は国立高度専門医療研究センターの中でも小児・周産期・産科医療を担う唯一のセンターとして日本全国より患者様が訪れています。

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立地は世田谷の砧公園のすぐ近くにあり、緑豊かな広大な敷地内に研究所と病院、さらに認可保育園や職員寮が建っています。

麻酔科医は常勤11名、非常勤医2名とフェローやレジデントが11名いて、1件の麻酔を3人以上で行っていることも多く、マンパワーに恵まれています。PICUやERから勉強にきている小児科医も必ずいて日常業務に加わっています。

フェローやレジデントは日本全国の国立、私立病院から6か月以上の研修として来ている麻酔科医や小児科医です。意識が高く、様々な経歴を持った彼らは中身も素敵で毎日和気藹々とやっています。彼らと一緒に働けることも毎日の楽しみです。

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麻酔科のフェローやレジデントの中でも希望者は産科麻酔に関わることが出来ます。こちらの産科麻酔は専属の麻酔科医が対応しており、都内でも数少ない24時間対応の無痛分娩を行っています。また胎児治療の手術件数も多く、勉強になります。

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朝は7時半から輪読会やミニレクチャーを行います。時には外から講義に来てもらうこともあります。

8時からは症例カンファレンスを行い、8時45分から入室が始まります。

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これが手術室の入り口です。

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子供たちは前日にツアーを組んで手術室見学をし、手術室看護師とチャイルドライフスペシャリストの丁寧なプレパレーションで穏やかに入室することが多く、導入もスムーズです。

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手術内容としては他病院ではなかなか見ることのない症例も多く、大変勉強になります。

術後のリカバリールームでは1対1で看護師がついてチャートの続きをつけながら観察を行っています。

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術後回診、術前回診は外来担当医が行います。PCAの管理は一日に三回、巡回して外来担当医と当直医が適宜調節を行っています。PCA回診では手術後の子供だけでなく内科疾患の子供も診ています。

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検査や放射線治療の鎮静も麻酔科医が行っています。子供病院らしく病院全体が可愛い造りになっています。

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日本小児麻酔科学会では2014年から小児麻酔認定医制度をスタートさせました。こちらに来て経験を重ねるに従い、より小児麻酔の奥深さを知ることとなりました。小児麻酔は誰でもかけていいものではなく、研修と経験を積んで行うべきだと強く感じます。

こちらの病院では小児科専門医を持つ麻酔科医や救急専門医を持つ麻酔科医がいて、肝移植術の麻酔に至っては小児科専門医、肝臓専門医、移植認定医を持つ麻酔科専門医が麻酔を行っています。専門の知識と経験を持つ先生方と仕事をしてみて、とても刺激を受けました。

麻酔科医のなかでも専門性があって然りなのだと感じます。

1年間で身に付くものではありませんが、こちらでの経験が私の糧となっていることは間違いありません。これからも知識と経験を積んで、よりよい小児麻酔を心がけます。

最後になりましたが、成育医療研究センターにこころよく出して下さった大嶽教授、また受け入れて下さったセンタースタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。

また余談になりますが、私はこちらの病院で長男、次男を出産しました。利用側としても働く側としても本当にすばらしい病院です。

 

稲村 ルヰ